ひと遊びして、ほらあなに帰ると、「母ちゃん、おててが冷たい、おててがちんちんする。」
母さんぎつねは、ぬれてぼたん色になった子ぎつねの両手に、はあっと息を吹きかけて、 「かわいい坊やの手にしもやけができてはかわいそう。夜になったら、町まで行って、坊やのおててに合うような毛糸の手ぶくろを買ってあげるね。」