そう言って、棚から子ども用の毛糸の手ぶくろを取り出してきて、子ぎつねの手に持たせてやりました。

「ありがとう。」
とお礼を言って、もと来た道を帰り始めました。

「母ちゃんは、人間は恐ろしいものだって言ったけど、
ちっとも恐ろしくないや。だって、ぼくの手を見ても、どうもしなかったもの。」

てぶくろを買いに13
作:新美 南吉 絵・音声:亀崎小学校PTA図書部



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