そう言って、棚から子ども用の毛糸の手ぶくろを取り出してきて、子ぎつねの手に持たせてやりました。 「ありがとう。」 とお礼を言って、もと来た道を帰り始めました。
「母ちゃんは、人間は恐ろしいものだって言ったけど、 ちっとも恐ろしくないや。だって、ぼくの手を見ても、どうもしなかったもの。」