平成9・10年度インターネット利用実践研究地域指定事業成果報告書
学校間のネットワークを利用した交流や連携の在り方
愛 知 県
インターネット利用推進協力校
半田市立亀崎小学校
T 地域の概要
半田市は知多半島が弓形に曲がった、ちょうどその中央部の東側にあり、波静かな衣
浦湾に面している。名古屋市の中心部から直線で約30キロメートルの距離にあり、J
R武豊線や名鉄河和線、知多半島道路、国道247号線などが通り、交通の便の比較的
良い位置にある。
半田市の東には、多くの釣り人でにぎわう衣浦湾を隔てて高浜市や碧南市があり、衣
浦大橋や衣浦海底トンネルで結ばれている。西には、知多半島の中央線を南北に走る標
高70〜80メートルの丘陵地を境にして、常滑市と接している。
半田市は、名古屋市からの距離が近く、交通の便も良いため、都市化の傾向が強い地
域である。しかし、自然環境に対する人々の関心は高く、まだまだ豊かな自然が残され
た地域でもある。
U 研究の概要
1 研究主題
学校間のネットワークを利用した交流や連携の在り方
(1) 研究主題のとらえ方
インターネット上の資料の収集活動や本校からの情報の発信活動を通して、他
校との交流を深めていきたい。その中で、児童一人一人の主体性を引き出し、表
現力や情報処理能力を養うことをねらいとして、研究に取り組んでいる。
(2) 研究推進の基本的な方針
@ インターネット環境の整備を進める。
(ハード面の整備、資料の収集、インターネットリテラシー、職員研修)
A ネットワークの学習活動への効果的な活用を進める。
(WWW、電子メール、掲示板などを複合的に利用していく)
2 研究経過
(1) インターネット環境の整備
@ ハード面の整備
ア、平成9年4月
・学校図書館において、公衆電話回線を使ってダイアルアップで日本福祉大学
と接続されたコンピュータを1台設置し、ホームページを公開した。(初公開、
平成7年12月)
イ、平成9年10月
・半田市・日本福祉大学・CATV愛知による「CATV活用実験」に参加し、CATV
愛知の高速データ通信回線によって日本福祉大学とLAN接続で結ばれた。
・ケーブルモデムLCBに8ポートハブを接続して、オンラインコンピュータを
6台設置した。授業後や放課後には子どもたちがいつでも使えるように開放
している。学習時には1グループ(5・6人)に1台のコンピュータを使い、
調べ学習や交流に対応できるようにした。
・図書館にコンピュータを設置し、図書館をマルチメディア資料やオンライン
資料を使える資料センターとして整備した。
ウ、平成10年8月
・特殊学級の教室と職員室に校内LANを伸ばしコンピュータを各1台ずつ配置
した。
エ、平成10年12月
・職員室内のLANをさらに延長して、職員1人1ポート(職員室40ポート)を
確保した。
・職員室内の1台のコンピュータをファイルサーバ、プリンタサーバとして使
用し、ファイル、プリンターの共有を可能にした。
A 資料の検索と収集および整理(平成9年10月〜)
各種サーチエンジン、リンク集(インターネットと教育等)を使い、各学年・
各教科で資料として使えるページをカリキュラムに合わせ検索収集した。これを
整理し、亀崎小学校ホームページの「学習の部屋」にリンクさせ本校独自のリン
ク集を作成した。これにより子どもたちも教師も「学習の部屋」からいつでも簡
単に自分の目的の資料にたどりつけ、調べられるようにした。
さらに、学習に役立つサイトが出てきたり、見付けたりした場合は随時付け加
えることにした。
B インターネットリテラシーおよびオペレーターの育成(平成9年10月〜)
3年生以上の学年において、オンラインコンピュータを自由に操作できるよう
に、各学級から数名ずつの児童を集めてリーダー講習会を行なった。リーダー講
習会においてオペレーターとしての技術を身につけた児童は、学級にもどり友達
に使い方を教えていった。各学級において、コンピュータ1台につき最低1人の
オペレーターを育てていった。
C 教師の技術向上(平成9年4月〜)
ア、インターネットシステム管理者としての技能を向上させるために、インター
ネット部会の教員が日本福祉大学の一般公開講座の講義を受けた。(9人)
イ、校内現職教育の実技研修を企画した。日本福祉大学のコンピュータ教室を借
りたり、校内の機器を利用したりして研修をしている。(学期1回、随時)
(2) 学習活動への効果的な活用
@ 交流活動(平成9年4月〜)
インターネットのホームページや電子メール、掲示板等を活用して、他校との
交流活動を進めた。
A 学習成果、各種活動紹介の情報発信(平成9年4月〜)
3年から6年までの学年で学習成果の発表をおこなったり、主な学校行事やク
ラブ活動、委員会活動を紹介したりした。
B 資料収集・資料検索活動(平成9年4月〜)
3年生以上の各学年において、インターネット上の資料を調べ学習などにおい
て、効果的に活用した。
C 教材研究(平成9年4月〜)
授業で使える最新資料や各種出版物等を調べて活用した。
V 研究成果の概要
1 共同学習に活用した実践
青森県、千葉県の小学校と電子メールを通じて「歴史討論会」をおこなった。
「縄文時代と弥生時代、どちらがしあわせ?」、「あたなは大仏造営に賛成?反
対?」などの問題について意見を交換し合った。この様子はweb上で公開され、そ
の後、大人から子どもまでたくさんの方が参加する討論会となった。
「縄文時代と弥生時代、どちらがしあわせ?」では、まずクラス内で、子どもた
ちは「縄文派」と「弥生派」とに分かれて議論を展開していったが、その中で他校
の児童の意見を引用したり紹介したりしていた。地理的な距離を越えての遠方より
の意見はとても新鮮で、子どもたちの興味を引き付けた。特に、ご自身が目がご不
自由な滋賀盲学校の先生やニュージーランド在住の方からの先住民族の例をとって
の「縄文派」の意見は自分達だけでの話し合いでは聞けなかった意見であった。
子どもたちは単元のまとめに自分の意見を発信したが、インターネットで全国に
向けて自分の意見を発信するので単元を通してとても意欲的に取り組むことができ
た。また、最後には自分の共感する他地域の人たちのすばらしい意見を取り入れる
などしてまとめることができた。
A
5年 社会科「自動車産業を調べよう」(平成9年度)社会科「自動車工業で働く人々」の単元を取り上げ、メールの交換と見学、ホー
ムページでの発表を中心に単元構成を考えた。
トヨタ自動車の工場見学をするにあたり、工場見学のできない学校に質問事項を
募集したところ青森、富山、滋賀の学校より依頼があった。子どもたちは取材して
きたことを電子メールで送ったり、ホームページで発表したりした。
子どもたちは、工場見学を前にして、自分の興味・関心をもとに課題設定をする
ことが多いが、今回はたくさんの質問をもらい、それらを取り込んで学習課題が広
がった。返事を書くためにも、真剣に興味深く、見落とさないように見学できた。
そして、自分が見聞きしたことを相手にうまく伝えるために、わかりやすく工夫を
して言葉や絵で表現できた。
5年生ではこの授業がきっかけで、インターネットへの子どもたちの興味・関心
が高まり、ホームページ作りやパソコン操作や検索の仕方を学ぼうとする方向に進
んでいる。
B
4年 国語科「ごんぎつね」(平成9・10年度)参加校の教師間で設問の設定など事前の教材研究をインターネットを使って進め
ていった。
本校からは、「新美南吉」・「ごんぎつね」の地元としての資料を新美南吉記念館
の協力を得て提供した。多くの学校で「ごんぎつね」のイメージを広げるのに役立
てていただいたようである。
平成9年度は、「ごんぎつね」の6つの場面に対して各1つずつの6つの設問を
各校分担して設定したが、本校は第5場面の設問を担当して設定した。さらに、第
3場面の設問もインターネット上で話し合った結果、本校の原案が採用された。こ
の間、各校での学年会や学校間電子メール、電子掲示板で教材研究が深まっていっ
た。
平成10年度は、6つの場面すべてについて本校の設定した設問で全国の児童が
書き込みをおこなうこととなった。
子どもたちは、電子掲示板に場面ごとに設定した設問に書き込みをおこなってい
た。学習の最後には「最後の感想」を書き込んだ。各設問、最後の感想ともに全国
に発信するために子どもたちの興味関心は高く、意欲を持って取り組むことができ
た。また、他地域の児童の感想を見ることによってより多くの多様な読みを経験す
ることができた。
さらに、全国の人が半田の「新美南吉」・「ごんぎつね」に注目していることを
知り、郷土について見なおすきっかけにもなった。
C
3年 社会科「地域学習」(平成10年度)小学校3年生の社会科では自分たちの住んでいる市町村について学習する。そこ
で、自分たちの市町村について調べるにあたり、交流校に自分たちの市町村を紹介
するという目的を持たせ、取り組ませた。また、交流校の市町村の様子と半田市と
のちがいを知り自分たちの半田市の特徴に気付くことをねらいとした学習計画を立
てた。
ここでは、山口県、千葉県、青森県の8校とでお互いの地域を児童が紹介し合う
学習を展開した。これらの学習における指導者間の打ち合わせや教材研究にはメー
リングリストや電子掲示板を活用した。
まず、電子メールの交換でお互いの地域を紹介し合ったが、3年生でのキーボー
ド入力は各校ともにむずかしく、児童が紙に書いたメールを教師が入力して発信す
るという作業が続いた。その各校の紹介メールをHTML化してホームページ上で
リンクさせ、児童がいつでも読めるようにしておいた。
さらに、山口県の先生の発案で、ホームページ上で各市町の切り抜き図を貼り付
けて、「どんな形にみえますか?」と各校の子どもたちに質問を投げかけてみた。
小規模校では、自分たちだけでは1つ2つの意見しか出ないのに、電子掲示板では
各校から多くのさまざまな意見がよせられており、多様な発想に子どもたちも教師
も感動していた様子であった。
また、千葉の学校からは自分たちの地域の紹介ビデオが送られてきた。楽しく編
集された子どもたちの自作ビデオであった。これを見て「ぼくたちもこんなビデオ
を作りたい!」という声があがり、自分たちの地域の特色を紹介するビデオ作りの
きっかけとなった。
D
4年 国語科「方言学習」(平成10年度)方言の学習をするにあたり、大阪、滋賀の交流校とお互いの方言を紹介したり、
質問をしたりした。電子メールや掲示板を活用したが、方言において大切な発音や
口の動きが伝わらないので、web上でビデオクリップにおいて紹介することにした。
また、みんながよく知っている
「桃太郎」の最初の部分をそれぞれの方言で朗読して紹介した。これは時間的に長くなるのでリアルプレーヤのストリーミング技術
を用いることとした。
これらの活動を通して、児童は他地域の生の方言に触れることができたが、自分
たちの方言も正確に交流校に伝えようと自分たちの使っている方言について調べ、
見直すきっかけになった。
E
5年 社会科「米飯給食調査」(平成10年度) 日本の農業の学習を個人の課題解決学習として展開していくうちに、次のような 課題をもった児童がいた。「私たち愛知県半田市の給食では、週に3回米飯給食が でますが、他の地域の学校ではどのぐらい米飯給食がでるのでしょうか?」 この課題の解決には全国に一度に発信できるインターネットを使うのが一番だと考え、社会科メーリングリストに紹介した。また、本校ホームページにおいても尋
ねた。このような問いかけをおこなうと北海道から九州までの8校から回答が寄せ
られた。ほとんどの学校が週に3回以上の米飯給食が出ているようである。これは
補助金とも関係があるようであった。
また、地方の特色ある給食の紹介などもあった。この児童は寄せられた電子メー
ルをもとに、単なる米飯給食の回数調査に終わらずに各地方の特色を生かした給食
についても調べた。さらに、なぜ補助金が付くのか自分なりに考えて「全国米飯給
食調査」としてまとめて発表することができた。
このように、個人の課題解決に対しても有効なだけでなく、さらに追求する力を
広げ楽しく学習することができた。
F 3年、
4年、5年 社会科「社会見学質問メール」(平成10年度)交流校の児童の質問を持って社会見学に出かける平成9年度の5年社会科「自動
車産業を調べよう」の方法を3年、4年においても実施した。
3年は酢の半田本社工場に出かけた。支店工場のある埼玉県の交流校とそれぞれ
の工場で見てきたことや聞いてきたことをメール交換した。その中で、地方による
合わせ酢の味のちがいについてが話題となり、それぞれの工場で地域にあった工夫
をしていることを知ることができた。
4年は千葉、大阪、埼玉の交流校5校の質問を持って、木曽三川公園に出かけ、
「低地の人々のくらし」について調べた。タワー上から見たダイナミックな三川の
様子や堤防より低い民家の様子を写した写真に交流校より驚きの声があがった。
5年は飲料水工場、ビール工場、自動車工場の見学に出かけた。交流校からは各
工場の環境問題について質問がよせられ、環境問題を視点のひとつとして工場見学
をするきっかけとなった。
それぞれの交流校において、各校とも指導者の指導のもとに質問を考えて送って
くれるので、本校児童も自分の学習課題を広げるのにおおいに役立った。
また、社会見学後にその様子をwebにまとめるのに各学年の職員はホームページ
作りの実技研修となり技量をあげることができた。
2 総合的な学習に活用した実践
@
3年、4年、5年、6年 「全国発芽マップ、ケナフの栽培」(平成9・10年度)100校プロジェクト共同企画「全国発芽マップ」に参加。
平成9年は5月12日に全国50校が、平成10年は5月20日に全国70校が、一斉
にケナフの種をまき、その後の成育状況を月毎にホームページで発信した。
また、メーリングリストを使い指導者どうしの打ち合せや育て方などを話し合っ
た。
収穫したケナフはパルプにして紙やはがきを作り、他のケナフ交流校とケナフで
作ったはがきを出しあった。
ケナフは炭酸ガスをたくさん吸って、1年で3〜5メートルに成長し、パルプの
原料にもなるので、環境庁が調査にのりだした植物である。子どもたちは、このケ
ナフを育てたり、紙を作ったりする活動を通して、環境問題を身近に感じることが
でき、地球温暖化問題・森林破壊の問題について興味・関心を持って調べることが
できた。また、紙を作るたいへんさを身をもって知り、紙を大切にしようとする心
が育ってきた。
さらに、子どもたちは全国に発信したり、電子掲示板に記録したり、交流校の児
童にメールを出したりすることにより「ケナフ友達」がたくさんできた。現在では
ケナフの話題にかぎらず電子メールで仲の良い友達としての交流が続いている児童
もいる。他校の児童と交流している友達を見て、自分も交流しようと電子メールの
出し方や掲示板の記入の仕方をおぼえようと子どもたちのインターネットへの意欲
も高まっていった。
平成10年度は、平成9年度にできた種をもとに、4年生が環境教育の一環として
約160本のケナフを育てた。指導者はケナフの育て方、収穫、パルプ作り、紙す
きのノウハウをある程度つかみ、「ケナフ」を総合学習単元として確立することが
できた。
インターネット上の本校の「ケナフ情報」を見ての反響も各方面から多数よせら
れた。
名古屋JCからはケナフで作られた画用紙200枚を寄付していただいた。児童
はこの画用紙で「地球環境ポスター」をかいたが、環境問題に対する意識が高まっ
ていたので、すばらしい作品が多数できた。これらの作品は名古屋JCを通じて国
連に送付された。子どもたちは自分達も地球に生きている一員であると自覚でき、
とても大きな励みになった。
また、テレビ愛知のローカルニュースにケナフ栽培と紙づくりの様子が取り上げ
られた。この報道により、ケナフについての問い合わせが多くなり、ケナフの種や
育て方を希望するところに送った。本校で出来たケナフの種は、遠くはNGOの方
の手によってミャンマーまで運ばれていった。子どもたちは自分達が地球環境に貢
献しているのだという自覚と自信を持つことができた。
A
6年 「古代食パーティーをひらこう」(平成9年度)「古代食を食べてみたい」という子どもたちの意欲関心に基づいて、秋に古代食
パーティーを開く計画を立てた。
古代食の食材のひとつとして、古代米を育て、その古代米を利用することにした。
そこで、全国の古代米を栽培している学校と古代米交流校となり、古代米の情報を
交換し合うことにした。また、秋まで子どもたちの意欲を持続させるために古代米
の成長を観察させ、古代米情報を発信させることにした。
古代米の種もみは各種情報をもとに探し、安城市の農家の方から3品種の種もみ
を分けてもらった。さらに、青森の小学校より3品種の古代米の苗を宅急便で送っ
てもらった。これらの合計6品種の古代米を深めのプランターで育てることとした。
青森、千葉、岐阜の小学校とそれぞれファイル名を決めて最新画像をリンクして、
成長を比べることができた。
古代米は現代の稲に比べると、背が高く、なかなか穂が実らなかったので心配し
ていたが、交流校と連絡を取り合うことによって不安は解消していった。
子どもたちは、日光でバケツの水を温めたり、草を取ったり、虫を取ったりして
いっしょうけんめいに古代米を育てることができた。古代人が米作りにかけた思い
や知恵・工夫を体験することで米作りを身を持って知ることができた。それだけに
「古代食パーティー」で古代米を調理するときは1粒1粒を大切に扱っていた。
また、めずらしいというだけでなく、苦労して育てた古代米の味は格別であり、
児童は大きな満足感と成就感を味わうことができた。
3
WWWによる資料収集・資料検索を活用した実践(平成9・10年度)本校の学習資料リンク集「学習の部屋」を活用して、以下の学年、教科においてイ
ンターネット上の資料を利用した。
・3年 社会 半田市の様子
・4年 社会 愛知県、寒い地方、暖かい地方の様子
・4年 国語 ごんぎつね
・4年 国語 キョウリュウについて調べよう
・5年 社会 日本の農業、漁業、自動車産業、伝統産業、通信業
・5年 理科 気象衛星「ひまわり」の画像
・5年 環境教育
・6年 環境教育
・6年 社会 各地歴史博物館、史蹟、官公庁
各学年共に図書館の本とあわせて資料の収集方法のひとつとして、インターネット
を利用している。それぞれ、自由にプリントアウトさせているので、自分のほしい資
料はそのままカラーで取り出せる。
大半の児童は好んでコンピュータの前にすわり、調べたいことを検索できるように
なってきている。
ひとつの新しい学び方、情報を得る手段としてインターネットを活用する力を身に
付けることで、問題解決的な学習の中で追求する力を広げることができた。
W 研究上の問題点と今後の課題
1 ハード面について
6台のコンピュータがオンラインで接続されて、子どもたちの主体的な活動がます
ます広がってきている。インターネットに興味を持っている児童は日毎に増え、いつ
も順番を待って利用している状態である。また、画像処理の速度の違いなどから、新
しい機種のコンピュータに人気が集中している。ビデオクリップなど大容量を必要と
するファイルを扱う機会が今後ますます増えると予想されるので旧機種のメモリなど
の増設を必要に応じておこなわなければならない。
今後は、図書室内のコンピュータをさらに数台増やして、子どもたちの多様な調べ
学習に対応したい。また、手作り校内LAN延長の可能性をさぐるとともに、平成11
年度に設置予定のパソコン教室のコンピュータをすべてオンラインで結び、児童に開
放したいと考えている。
さらに、CATV回線を使った市内小中学校のイントラネット的利用の可能性をさぐり
たい。現在では、外に向っては不安定なインターネットを使ったテレビ会議システム
もイントラネット内であれば効果的に活用できるのではないかと考えている。
2 共同学習において
地理的な制約を克服して、他地域の児童や先生たちと共同で学習していき、その地
域ならではの多様な意見や考えを共有できるのはインターネットならではの醍醐味で
あると考えている。
他校と共同学習を進めていくには子どもたちにとって魅力ある企画と中心となる幹
事校・コーディネータが必要である。そして、何よりも大切なのは、交流校の教師同
士の人間関係であり、お互いの信頼であり、誠意である。
また、インターネットは人間同志のコミュニケーションであり、自分の意見が伝え
られるひとつの方法である。インターネット上において文字でコミュニケーションを
はかる場合、現在のところキーボード入力に勝るものはない。小学校においてはキー
ボード入力が指導のひとつのカギになる。キーボード入力を含めたリテラシーとネッ
ト社会に参画する態度の系統的なカリキュラムの作成の必要性を感じる。
3 ネットトラブルについて
一般サイトの掲示板、チャットにおいて子どもたちがトラブルに巻き込まれる可能
性がある。特に、子どもたちが好むキャラクター物・ゲーム物の掲示板は荒れている
ものが多く存在する。本校においても荒れている掲示板に巻き込まれた児童がでたが、
ネチケット、ヘルプの方法などの指導の大切さを痛感した。
有害情報については、本校では積極的に有害情報を取りにいく児童はいないが、い
つ偶然にもたどり着くともかぎらない。そのために現在はフィルタリングソフトを使
用している。