「母ちゃん、目に何かささった。抜いてちょうだい。早く、早く」「えっ、坊や、どうしたの」

母さんぎつねがびっくりして、目をおさえている子どもの手を、おそるおそる取りのけてみましたが、何もささってはいませんでし
た。

母さんぎつねは、外を見て、初めてわけがわかりました。

「これはね、昨日(きのう)の夜、どっさり積もった雪を、お日様がきらきらと照らしているから、まぶしいんだよ。雪を知らない坊やだから、目に何かささったと思ったんだね。」母さんぎつねは、優しく言いました。

てぶくろを買いに2
作:新美 南吉 絵・音声:亀崎小学校PTA図書部


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